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AWS活用支援コラム

NATゲートウェイでプライベートサブネットからインターネットへ

NATとはどういうこと?

NAT(Network Address Translation)とは、インターネット上で使われるIPアドレスを、プライベートネットワーク内の複数のデバイスで共有するための技術です。簡単に言うと、家庭や会社などの内部ネットワーク内の複数のデバイスが、インターネットに1つのIPアドレスを使ってアクセスすることを可能にします。

NATのおかげで、プライベートIPアドレスを持つデバイスがインターネット上のサービスにアクセスする際、そのデバイスのIPアドレスは外部に公開されず、外部からはNATを通じて共有された公開IPアドレスだけが見えます。これにより、IPアドレスの節約に加えて、ネットワークのセキュリティ向上にも寄与しています。

NATゲートウェイの利点

AWS NATゲートウェイとは?

AWS NATゲートウェイは、Amazon Web Services(AWS)が提供する、プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットや他のAWSサービスにアクセスするためのサービスです。このサービスは、プライベートサブネット内のインスタンスにパブリックインターネットへの出口を提供しながら、インターネットからの直接的なアクセスを防ぎます。簡単に言えば、NATゲートウェイを通じて、プライベートネットワーク内のデバイスがインターネットにアクセスできるようになりますが、インターネットからそのデバイスへの直接アクセスはできないようになっています。

AWS NATゲートウェイの仕組みは、プライベートIPアドレスを使用している内部ネットワークのインスタンスが外部と通信する際、その通信をNATゲートウェイが受け取り、ゲートウェイ自身のパブリックIPアドレスを使用してインターネットと通信します。これにより、内部ネットワークのセキュリティを確保しつつ、必要なリソースへのアクセスを可能にします。

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AWS NATゲートウェイを使うと何がうれしい?

NATゲートウェイを利用することによるメリットは、下記のとおりです。

  • セキュリティ強化…NATゲートウェイは、プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットにアクセスする唯一の方法を提供します。これにより、インターネットからの直接的なアクセスを遮断し、ネットワークのセキュリティを向上させることができます。
  • 可用性と冗長性: AWS NATゲートウェイは、AWSが運用管理を行うマネージドサービスであり、AWS側にて高可用性と冗長性を担保するよう設計されています。AWSは自動的にゲートウェイの健全性を監視し、問題が発生した場合には迅速に置き換えるため、サービスの中断を最小限に抑えることができます。
  • 管理の簡素化: NATゲートウェイはAWS管理コンソールから簡単に設定と管理が可能です。複雑な設定や専門知識を必要とせず、数クリックでデプロイできるため、時間と労力を節約できます。

NATゲートウェイのユースケースは?

  • インターネットに公開したくないサーバーの接続経路を確保する
    プライベートサブネット内のサーバーやアプリケーションがインターネットにアクセスする必要がある場合(例えば、ソフトウェアの更新をダウンロードする場合や外部APIにアクセスする場合など)、NATゲートウェイを使用すると、これらのサーバーやアプリケーションがインターネットに安全にアクセスできます。この場合、NATゲートウェイはプライベートサブネットからのアウトバウンド接続(インターネットへの接続)を許可しますが、インバウンド接続(インターネットからの接続)は許可しません。これにより、不正アクセスのリスクを減らしながら、必要な外部リソースへのアクセスを確保できます。
  • 外部APIとの連携
    データ分析などを行う場合は、しばしば外部のサービスやデータベース(例えば気象庁のデータやGoogleが公開しているデータベース)にアクセスする必要があります。一方で一般的にデータ分析環境はプライベートネットワーク環境に構築されるケースが多く、インターネットへの接続を制限する必要があります。これらの場合、NATゲートウェイを通じて、プライベートサブネット内から安全に外部サービスにアクセスできるようにすることが可能です。

AWS NATゲートウェイの設定

AWSでは、数クリックでNATゲートウェイを設定して利用することができます。主な手順は以下の通りです。

  1. 作業の前に…NATゲートウェイは外部と通信を行うためのグローバルIPアドレスが必要であるため、EC2などにアサインされていないElastic IPアドレスを用意してください。また、サブネットも作成が必要です。
  2. VPCダッシュボードを開く…NATゲートウェイはVPCの設定画面から作成可能です。AWS管理コンソールからVPCダッシュボードにアクセスします。
  3. NATゲートウェイを作成…「NATゲートウェイ」のセクションで「作成」を選択し、必要な情報として事前に作成したサブネットの指定や、Elastic IP割り当てを実施します。
  4. ルートテーブルを更新…NATゲートウェイを使用するサブネットのルートテーブルを更新し、インターネットへのトラフィックをNATゲートウェイを通じてルーティングするように設定します。

この4ステップでNATゲートウェイの設定が可能です。

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AWS NATゲートウェイの新機能

AWSは常にサービスを改善しており、NATゲートウェイも例外ではありません。最近のアップデートでは、複数の同時接続(IPアドレスの関連付け)をサポートする新機能が導入されました。具体的には、従来までのNATゲートウェイは1つのElastic IPしか割り当てができず、1分あたり55,000件の同時接続を超えると、それ以上の新規接続はエラーとなっていました。アップデート後は8つのElastic IPアドレスを割り当てることができるようになりました。これにより同時接続数は440,000件まで対応可能になります。

利用の際の注意点は?

デフォルトは2つのIPアドレスまで…8つのIPアドレスを割り当てるためには、AWSサポート経由で上限緩和を申請する必要があります。利用する際には、時間的な余裕をもって設定を行うといいでしょう。

AWS NATゲートウェイの料金

AWS NATゲートウェイの料金は、他のAWSのサービスと同様に、使用量に基づく従量課金制です。具体的には、以下に基づいて課金が発生します。

  • データ処理量…AWSからインターネットへのアウトバウンド通信量1GBに応じて課金が発生します。
  • NATゲートウェイの利用時間…1時間利用するごとに決められた料金が発生します。

したがって、料金を抑えるためには、作成するNATゲートウェイは最小限にし、不要なNATゲートウェイは極力削除をするのがいいでしょう。また、AWSのサービス同士で通信を行う際には、インターネット経由ではなくVPCエンドポイントを利用することで、NATゲートウェイからのアウトバウンドの通信料を抑えることができます。

まとめ

NATゲートウェイは、インターネットにアクセスする際にIPアドレスを節約し、セキュリティを強化する重要な役割を果たします。AWSのNATゲートウェイを使用することで、これらのメリットを簡単に享受できる上に、最新の機能によってさらに大量の接続に対応することができます。料金については使用量に応じて変動するため、効果的な利用計画が重要になります。AWSのネットワーク設計において非常に重要なサービスの一つであるため、ぜひ利用してAWS上にセキュアなシステムを構築しましょう。