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AWS活用支援コラム

生成AIでデータ分析 Amazon Q をどう使う

データ活用の必要性は感じていても、分析ツールを使いこなせる人材が限られていたり、欲しい数字をすぐ取り出せなかったりと、現場では課題が山積しています。AWSの生成AIサービス「Amazon Q」は、こうした状況を変える可能性を持っています。

本記事では、BI分野での活用形態であるAmazon Q in QuickSightを中心に、製品構成・できること・ユースケース・料金まで、IT担当者・企画担当者が押さえておくべきポイントを整理します。

Amazon Q in QuickSightの基本

近年、企業では「データを活用したい」という声が強くなっています。一方で、実際の現場では「分析ツールを使いこなせる人が限られている」「データはあるのに、必要な数字をすぐ取り出せない」といった悩みも少なくありません。こうした課題に対して、AWSは生成AIを活用した分析支援機能を拡充しています。その代表例がAmazon Qであり、BI分野での活用形態がAmazon Q in QuickSightです。

Amazon Qとは

Amazon Qは、AWSが提供する生成AIアシスタント群の総称です。用途ごとに複数の製品があり、社内情報の検索・要約、開発作業の支援、BIツール上での自然言語分析などに利用できます。

Amazon Q in QuickSightとは

Amazon Q in QuickSightは、QuickSight上で自然言語による分析や質問応答、ダッシュボード作成、データストーリー生成などを行える機能です。SQLBIの専門知識がなくても、「先月の売上が最も高かった地域は?」「この数字が増えた理由を教えて」といった自然な日本語や英語で問いかけることで、分析結果やグラフ、要約を得られます。AWSは、Amazon Q in QuickSightにより、ビジネスユーザーとアナリストが自然言語でインサイトを構築・発見・共有できると説明しています。

また、近年の大きな変化として、Amazon Q in QuickSightは非構造化データも扱えるようになりました。2024年末にAWSは、Amazon Q BusinessQuickSightの連携によって、文書、社内Web、業務アプリケーションなどにある非構造化データをデータQ&Aや生成されるストーリーに取り込めるようになったと発表しています。これにより、表形式の売上データだけでなく、報告書、議事録、社内文書といった情報も組み合わせて分析しやすくなりました。

Amazon Qの製品構成

Amazon Qと一口に言っても、実際には用途ごとに複数の製品があります。「誰が、何のために使うか」で整理するとわかりやすいでしょう。

Amazon Q Business

Amazon Q Businessは、社内文書や業務システムにある情報を横断的に検索し、要約や回答を返してくれる企業向けAIアシスタントです。たとえば、社内規程、FAQ、ナレッジベース、ファイル共有基盤などに蓄積された情報をもとに、従業員が自然言語で質問できます。回答はアクセス権限を考慮して生成されるため、見えてはいけない情報まで一律に表示されるわけではありません。

Amazon Q Developer

Amazon Q Developerは、開発者や運用担当者向けのAI支援サービスです。コード生成、コード説明、トラブルシューティング、AWSサービスの使い方の支援などに利用されます。最近ではAWSの料金やサービス仕様の確認支援まで広がっており、開発だけでなく、クラウド運用の補助役としての性格も強まっています。Free TierProがあり、主にエンジニア向けの製品と考えるとわかりやすいでしょう。

Amazon Q in QuickSight

Amazon Q in QuickSightは、BIやデータ分析に特化したAmazon Qです。QuickSightの画面上で、自然言語によるデータ探索、質問応答、ダッシュボード作成、ストーリー生成などを支援します。Amazon Q Businessが「社内情報を探すAI」だとすれば、Amazon Q in QuickSightは「データを読み解くAI」と整理すると理解しやすいでしょう。

 

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Amazon Q in QuickSightでできること

Amazon Q in QuickSightには、データ分析をより身近にするための機能が複数そろっています。ここでは代表的な3つを紹介します。

自然言語を使用した分析の作成

Amazon Q in QuickSightの大きな特徴は、自然言語で分析を始められることです。従来のBIツールでは、グラフの作成や集計条件の設定にある程度の知識が必要でした。しかしAmazon Q in QuickSightでは、「売上を月別で見たい」「部門ごとの推移を比較したい」といった言葉から、ダッシュボードや可視化を自動で提案できます。

Q&Aによるデータの洞察

質問応答型の分析も中核機能です。利用者は、見たい数値や傾向を会話のように問い合わせることで、適切なグラフや回答を得られます。もともとQuickSight Qは、自然言語クエリでビジネスデータに質問できる仕組みとして登場しましたが、現在のAmazon Q in QuickSightではその体験がさらに拡張され、曖昧な質問への補助や、より複雑な分析支援も進んでいます。

データストーリーの作成

Amazon Q in QuickSightでは、分析結果を単なるグラフの羅列で終わらせず、データストーリーとしてまとめることもできます。この機能により、主要な気づきや推奨アクションを含んだ文書やプレゼンテーション風のアウトプットを生成できます。

AWS Qのユースケースを示すスライド。Amazon Q Business、Developer、in QuickSightの主な機能を箇条書きで紹介。

Amazon Qのユースケース

Amazon Qのユースケースは、製品ごとに少しずつ異なります。Amazon Q Businessは、社内ナレッジ検索やFAQ自動化、問い合わせ対応支援などに向いています。Amazon Q Developerは、設計レビュー、コード補助、障害調査、AWS利用時の技術相談などで効果を発揮します。Amazon Q in QuickSightは、経営会議向けのレポート作成、営業データの確認、部門別実績分析、在庫や需要の把握など、データを使った意思決定支援に向いています。システム担当者からの目線としては、「全社員向けのAI検索基盤」としてQ Businessを、「技術部門向けのAI補助」としてQ Developerを、「現場や管理職が数字を見るためのAI分析」としてQ in QuickSightを使い分けるイメージがわかりやすいでしょう。

Amazon Qの活用事例

実際の活用イメージとしては、たとえば営業部門が「今月の地域別売上の傾向」を自然言語で確認し、そのままデータストーリーを使って会議資料のたたき台を作る、といった使い方が考えられます。また、経営層がKPIの変化理由をQ&Aで確認し、必要に応じて関連文書や社内資料の要点まで含めて把握する、といった流れも現実的です。

別の観点では、Amazon Q Businessで社内文書やナレッジを検索し、Amazon Q in QuickSightで数値面の裏付けを確認する、という併用も考えられます。たとえば「売上が落ちた理由」を数値データで確認しつつ、関連する報告書や議事録をQ Business経由で参照すれば、より立体的に状況を把握できます。Amazon Q製品群は、単独利用だけでなく組み合わせによる効果も期待できる構成です。

料金

Amazon Qの料金は製品・プランによって異なります。ここでは主要な料金体系を整理します。

Amazon Qの料金

Amazon Q全体の料金は製品ごとに異なります。Amazon Q Businessは、主にユーザー課金とインデックス容量課金で構成されます。AWS公式の料金ページでは、Proサブスクリプションは1ユーザーあたり月額20ドルで、Amazon Q AppsAmazon Q in QuickSightReader Pro利用も含まれると案内されています。

Amazon Q Developerは、Free TierProが用意されています。AWSは継続的な無料利用枠を提供しており、Proではより高度な開発支援やコード変換機能が利用できます。料金の詳細は利用形態によって変わるため、導入時は公式料金ページで最新情報を確認するのが安全です。

Amazon Qの料金表(2025/10)— 左列にDeveloperとBusiness、右列にプラン名と料金を表示。無料プラン、Pro $19/ユーザ/月、Lite $3/ユーザ/月、BusinessのPro $20/ユーザ/月。Developerは最大50ユーザ・60日無料トライアルあり。

Amazon Q in QuickSightの料金

Amazon Q in QuickSightは、QuickSight側の料金体系の中で提供されます。AWS公式では、Authorは月額24ドル、Author Proは月額50ドル、Reader Proは月額20ドルと案内されています。Author Proでは、自然言語によるダッシュボード作成やAmazon Q Topicsの作成など、より高度な生成BI機能が利用できます。QuickSight自体にはReader向けの低価格プランやセッション課金モデルもあるため、全員に高度な生成AI機能を持たせるのか、一部の分析担当者だけにPro権限を付けるのかでコストは大きく変わります。まず分析を作る人と見る人を分けて考えると、導入設計がしやすくなります。

 

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まとめ

Amazon Q in QuickSightは、QuickSight上で自然言語による分析、Q&A、データストーリー作成を可能にする、生成AI活用型のBI機能です。最近ではAmazon Q Businessとの連携により非構造化データも扱いやすくなっています。Amazon Q BusinessAmazon Q DeveloperAmazon Q in QuickSightを「社内情報検索」「技術支援」「データ分析支援」と役割分担して理解すると、全体像がつかみやすくなります。まずは対象部門や利用者を絞って試し、どこに最も効果が出るかを見極めるところから始めるのが現実的でしょう。